2009年4月15日水曜日

That which is always missing


これは、パトリックの切絵アートの中で私が一番気に入っている作品です。タイトルは「that which is always missing」といいます。

人間ともサルとも言えない生き物が何かを探して石の下を覗き込んでいます。そして、その生き物の体からは白い物体がでてきてて一緒に石の下を眺めています。

パトリックの簡単な解説を聞きながら、この生き物は私そのものかもなあ〜と思いました。Missingという題名からもわかるように、この生き物は「失った何か」「足りない何か」を探しているのですが、本当は何も失っていないし、足りないものはなかったんじゃないかと思わせるのが、ヘビにも見えるにょろにょろとした白い物体です。自分に足りないとか失ったと思っていたけど実は失っていないものがこの白い物体になって表現されているのですが、それが本体の生き物と一緒になって石の下を探しているというちょっと皮肉なカンジでもあります。

私はいつもその時その時の自分に満足がいかず、「何かが足りない」「何か欠けている」と思い続けて、「こうしたら将来は満たされるんじゃないか」とか「今の私は本当のじ分じゃない」と信じていろいろなことをやってみたり挑戦したりしてきましたが、最近「ちょっと生き急いでいないか?」と思うことがありました。一度よ〜く立ち止まって本当に自分に大切なものは何かを見つめなおして、本当にそれが充足していないのか考えなおす必要があるような気がしてきました。「自分の求めているものが100%手に入っていないとしても」、一番大切だと思っている物さえ今の自分にあればもうそれでOKとしていいんじゃないかと。今の自分は幸せなんだなあと思ってみても許されるのではないかと思い始めました。今あるものをちゃんと認識してありがたがっておかないと、いつか白い物体になって逃げられてしまうかもしれません!!!

これが私の勝手な解釈です。必ずしも、この作品を作った超本人のパトリックの思いとマッチしているわけではありません。これを鑑賞してくださった方々が自由にいろいろなことを感じてもらえ、何かを考えるきっかけになるとうれしい限りではなかろうかと思います。

英語ですが、この切り絵に関するパトリック本人のブログのメッセージはこちら

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